Chapter 1 / System Design

システム
全体方式設計

最初に決めるのは、システム全体の枠です。可用性、責任範囲、コスト、統制、ネットワーク、データ構成を先にそろえると、後の設計が迷いにくくなります。

8 Guidelines

この章で扱う8項目

設計の土台となる判断を、抜け漏れなく確認します。

1ビジネスSLA可用率、RTO、RPOを数字で決めます。
2IaaS/PaaS自分で管理する範囲と、Azureに任せる範囲を決めます。
3コスト管理見積り、可視化、最適化を続けます。
4評価/レビュー設計を定期的に見直し、リスクを早めに見つけます。
5ネーミング環境、役割、用途が名前から分かるようにします。
6サブスクリプション請求、権限、ルールの箱を分けます。
7ネットワーク入口、通り道、内部の分離を決めます。
8DB/Storage保存、複製、バックアップ、復元を決めます。
SLAと復旧目標の図解
止まれる時間、戻す速さ、戻す範囲を数字で決めます。
SLA

あいまいな品質を数字にする

「なるべく止めない」ではなく、可用率、RTO、RPOを決めます。数字が決まると、冗長化やバックアップの必要度も判断しやすくなります。

可用率を決める。RTOとRPOを決める。複数サービスを組み合わせたときの全体品質を確認する。
IaaS / PaaS

責任範囲を分ける

IaaSは自由度が高く、管理範囲も広くなります。PaaSはAzureに任せる範囲が広く、開発や運用を軽くしやすい一方で制約もあります。

既存移行はIaaSが向くことがある。新規開発や標準化はPaaSが向くことがある。誰がどこまで管理するかを明確にする。
IaaSとPaaSの責任境界
方式選択は、自由度と運用負荷のバランスで考えます。
Cost / Governance

コスト、レビュー、命名、統制をそろえる

使い始めてから困らないように、費用、見直し、名前、権限のルールを先に決めます。

コスト管理の図解

コスト管理

見積もり、見える化し、使いながら直します。

評価レビューとネーミングの図解

評価/レビュー・ネーミング

設計を定期的に見直し、名前から役割が分かる状態にします。

サブスクリプション管理の図解

サブスクリプション管理

請求、権限、ポリシーを用途ごとの箱で分けます。

ネットワーク設計の図解

ネットワーク構成

誰が、どこから、どの経路で入るかを決めます。

データ保護の図解
保存、複製、バックアップ、復元をセットで決めます。
DB / Storage

データは戻せる状態まで考える

データは保存するだけでは不十分です。複製、バックアップ、復元テストまで決めておくことで、障害や誤削除に備えられます。

重要データと保管先を決める。複製とバックアップの方式を決める。復元できることを定期的に試す。

数字と責任

  • SLA、RTO、RPOを決めた。
  • IaaS/PaaSの責任範囲を説明できる。
  • コストの見える化を用意した。

統制

  • レビュー観点を決めた。
  • 命名ルールを決めた。
  • サブスクリプションと権限を分けた。

構成

  • ネットワーク経路を設計した。
  • データ保存と復元方式を決めた。
  • 復元手順を試した。